2019年7月9日(火)
【湯のみ】と【汲み出し】
最近、とあるTV局から問い合わせの電話が。
【湯のみ】について、の質問。
フードスタイリストの仕事を30数年してきた中で、いったい何回、いえ何百回、この湯のみをスタイリングしてきたことか・・・・・
たかが湯のみ、たかが煎茶茶碗。
どちらもお茶を入れる食器、は同じ。
でも、TPOに応じて、湯のみも煎茶茶碗も、プロのフードスタイリストとしては正しく使い分けなくてはなりません。
これ、実はけっこう難しい・・・
そう、お茶の種類や、その環境によって、使うべき正しい器があるのです。
【湯のみ】は、白湯・番茶・ほうじ茶用。
食事の最中や最後にいただく、料理のお口直しのような場合もあり、また
お煎餅やおまんじゅうなど、カジュアルな和菓子のお供の場合もあり。
素材も、磁器もあるけれど、陶器でどっしりがスタンダードな、筒型で男性的なフォルム。
西洋のカップで言えば、マグカップ。
それに対し、正式には【汲み出し】と呼ばれる煎茶茶碗は、そう、煎茶用。
食事の時ではなく食間の、
10時3時の和菓子とともにいただくくつろぎのお茶、煎茶ための茶碗。
形も、丸みを帯びて口は広めで女性的。
素材も陶器もありますが、比較的磁器が多く、繊細で口当たりの良い、薄手のものがスタンダード。
茶托とともに供されるのが普通です。
そう、西洋で言えば、ソーサーの付いたティーカップ。
同じ、お茶の器でありながら、そのたたずまいも存在感も、まったく違うこの二つの和食器。
その始まりとは・・・・・
次回に続く。
※関連ページ↓
【湯のみ】と【汲み出し】←コチラ
【湯のみ】の始まり①←コチラ
【湯のみ】の始まり②←コチラ