2017年6月19日(月)
つまものって何?
私は日本料理を生業とする家に生まれ育ち、料理撮影のスタイリングの仕事に就きました。
【つまもの】の存在を、子どもの頃からごく当たり前に感じていましたが、
これは一種の業界用語であることに、ごく最近気づきました。
たとえばお刺身のつまもの。
大根のかつらむきを千切りにしたものがその代表格で、大葉・紅たで・穂紫蘇・菊の花・ぼうふう・わさびなどがつまものにあたります。
お寿司ならば、仕切りに使うハラン。
昔は飾りハランといって、職人さんがいろんな形に切ったりもしていましたね。
お弁当の仕切りになっている、セロハンの緑色のギザギザしたものは、
【バラン】といって、ハランを似せて作ったもの。
季節の植物の、キレイなところだけをパックしてあるのもつまもの。
春なら桜、秋なら紅葉など、季節を表す大事な脇役。
日本料理屋が多い地域の八百屋やスーパーに並んでいて、
築地にはもちろん、このつまものを専門に扱う、【つまもの屋】もあります。
四国や東北の山中に入り、きれいなつまものを探し出しつまもの屋に売り、
家を建てたおばあちゃんもいるくらい、
きれいなつまものは、たいへん貴重で高価で取引される、【金のつまもの】なのであります。